詳細:チェリストのイジー・バルタとピアニストのテレジー・フィアロヴァが、レオシュ・ヤナーチェクの遺産に捧げるニューアルバム。アルバムには、元々ヴァイオリンとピアノのために書かれた3つの作品、著名なソナタでありながらも作曲当時は忘れ去られていた「ドゥムカ」と「ロマンス」が収録されています。3曲のヴァイオリンパートはイジー・バルタによってチェロ用に編曲され、この形で世界初演されます。ヤナーチェクは「ドゥムカ」と「ロマンス」をライプツィヒでの学業中に作曲しました。それは彼が自分の才能に疑問を抱き苦悩していた不幸な時期でした。どちらも古典主義とロマン主義の痕跡が見られ、バルタのチェロ録音は、曲の物憂げで哀愁を帯びた性質をさらに際立たせています。ソナタのチェロ版はヤナーチェクの1922年の版に基づいており、調性は維持され、ピアノパートはそのままですが、ヴァイオリンのパートは大部分が1オクターブ低く移調されています。このアルバムには、ヤナーチェクがチェロとピアノのために作曲した唯一の2つの作品、ポハートカ（おとぎ話）も収録されています。ポハートカには、作品の作業バージョンの一部であったが後にヤナーチェクによって破棄された第4楽章があります。また、短いプレストは、おそらく元々ポハートカの楽章の1つとして意図されていましたが、ソナタと同様にさまざまな段階を経て、最終版は1924年に出版されました。ヤナーチェク自身の経験を反映して、ベレンデイ皇帝とその子の物語の悲劇的な物語からインスピレーションを得ています。 「ヤナーチェクの室内楽作品のほとんどと同様に、『ポハドカ』は作曲家の魂への魅力的な洞察を与えてくれます」とイジー・バルタは語り、ヤナーチェクの音楽に初めて出会った時の思い出をこう綴ります。「私は、子供の頃に出会ったどんな音楽とも全く異なる、奇妙に美しい音楽を聴いています。悲痛でありながら優しく、悲しいけれど、どこか違った形で、感動的でありながら、泣き言や偽りの涙はありません。（中略）彼は、ほとんど絶望的なまでに誠実で、いかなるマンネリズムや不誠実さも許さないため、演奏者にとって彼の真意を読み取ることは困難です。最も苦悩に満ちた瞬間でさえ、彼は美と真実の原理に忠実です。」アニマル・ミュージックのカタログには、二人のアーティストによるベートーヴェンのピアノとチェロのためのソナタ全曲演奏（2021年）、そしてイジー・バルタによるバッハの無伴奏チェロ組曲全曲のソロ録音（2018年）も収録されています。