詳細：数々の偶然の出来事によってかろうじて無名から救われたジョン・ファイザーの唯一の録音アルバム『トレジャー・マン』が、ついに日の目を見る。45年の歳月をかけて制作されたこのアルバム。ファイザーはここ29年間、カウチサーフィンや遊具、友人宅の裏庭、そして最近では古いボルボのステーションワゴンで寝泊まりするなど、いわゆる「ラフライフ」を送ってきた。現在、ファイザーは北カリフォルニアの介護施設に入居している。以下は、この未発表アルバムがシザー・テイルの目に留まった経緯である。 娘を学校に送る際に、毎日ピーツ・コーヒーの元祖の前を通り過ぎていました。通りの向かいには、バークレーで愛されたジョン・“トレジャーマン”・ファイザーがいて、チェスをしたりクロスワードパズルを解いたり、宝石や様々な魔法の小道具を詰め込んだ宝木の横で待っていました。今でも通りすがりの子供たちは宝物を選ぶことができます。娘と何度も立ち寄るうちに、ジョンのことをよく知るようになりました。彼は愛と知性とユーモアの泉であり、風変わりで気骨のある人でした。私たちは友達になりました。やがて彼は、状態が悪くなった自身の演奏を収録した古いカセットテープを何本か見せてくれて、「音を良くできないか」と尋ねてきました。私は聞くことにしました。なんと素晴らしい曲でしょう！ そこで私はカセットテープのリマスター作業を進めながら、ジョンにオリジナルのマスタースタジオ音源を持っているかどうか、数ヶ月にわたって少なくとも4回尋ね続けました。答えはいつもノーでした。カセットテープから録音した音源がようやく最高の音質になった頃、彼は15インチ/秒、1/4インチのハーフトラック、最先端のアナログマスターリールを持ってきました。それは1977年、伝説のマウンテン・イヤーズ・レコーディング・スタジオで、レイ・ボネヴィル、ブラッド・“ハニーボーイ”・ヘイズ、エリック・“ボボ”・ジョンソン、ブライアン・“スラッゴ”・ブラウンといった一流スタジオミュージシャンと共に録音されたものです。ジョンはオリジナルのリールを見つけたのです！ 「このアルバムは、ジョンの古い1980年式ボルボ・ステーションワゴン（彼の住居でもある）の奥深くに何十年も眠っていて、奇妙なほど美しいカビに覆われていました。しかし、あの日こそ、ジョンの音楽が本来の姿、つまり、大きく、分厚く、アナログな形で世に届けられると確信した日でした。その後数年間、世界屈指の修復専門家と共に、アルバムのクリーニングとリマスタリングを行いました。」 - ジェームズ・ジョンソン（プロデューサー）