詳細：このアルバムの構想は、前作『シネマ・スイート』（BBCミュージック・マガジンの「スクリーン・チョイス」、WDR3の「今週のアルバム」などに選出）のレコーディング中に生まれました。モリコーネ家がマルコ・セリーノに、作曲家が妻に捧げた「マリアに捧ぐ」（映画『眠れる妻』より）をはじめとする数々の珍曲を贈り、それらもレコーディングしたいと考えたことがきっかけでした。これらの作品と、セリーノが自身のアーカイブから再発見した他の作品が、『シネマ・レアリティーズ』の骨組みを構成し、前作の理想的な続編となっています。エンニオ・モリコーネに20年間ヴァイオリニストとして抜擢されたセリーノは、ヴァイオリンとオーケストラのための作品の探求を続けており、今回は特に、一般の人々にはあまり知られていないものの、いずれも一定の「イタリアらしさ」を持つ作品に焦点を当てています。プログラムの中心となるのは、モリコーネが緊密に仕事をした3人のイタリア人映画監督（シルヴァーノ・アゴスティ、マウロ・ボロニーニ、タヴィアーニ兄弟）にちなんで名付けられた3つの組曲です。これらの作品は、前回収録されたセルジオ・レオーネやジュゼッペ・トルナトーレ監督作品ほど国際的に高く評価されていませんでしたが、作曲家モリコーネに新たな独自の解釈を生み出すインスピレーションを与えました。例えば、マルコ・セリーノが最も美しい作品の一つと評した『遺産』の「愛の記憶」などが挙げられます。同様にイタリアらしさを体現しているのは、アルベルト・ベヴィラックア監督による『カリフの女』の音楽からの2つの抜粋で、美しい「ノクターン」と、セルジオ・ソッリマ監督の映画『リボルバー』からの短い「ヴィヴァルディ風」は、ジャン・ピエロ・レヴェルベリの『ロンド・ヴェネツィアーノ』といった、ほぼ10年後のリメイク作品の先駆けとなっています。作曲家自身が選んだ4つの作品（象徴的な「Whoever」と「Deborah's Theme」を含む）からなる「Four Adagios」は、他に類を見ない位置を占めています。このヴァイオリン編曲版では、ベートーヴェンの協奏曲第1楽章の主題が引用されています。セリーノに捧げられ、モリコーネの指揮のもと世界中で演奏されている「Four Adagios」は、作曲家とヴァイオリニストの芸術的なパートナーシップ、互いの職業的尊敬、そして深い友情を物語っています。