ビリー・ワイルダー監督による、時代を超えて愛される傑作。ハリウッド・コメディの新たなスタンダードを確立した。シカゴのミュージシャン、ジョーとジェリー（トニー・カーティスとジャック・レモン、記念すべき名演）は、ギャングの襲撃を目撃した後、女装してマイアミへ向かう途中、女性だけのバンドに加わり街を抜け出す。バンドのボーカル、シュガー・ケイン（当時、絶頂期のマリリン・モンロー）の魅力に誘われ、ジョーは彼女を口説くために大富豪に扮し、ジェリーのもう一つの顔である女性版は大物実業家と婚約するなど、彼らはますます派手な嘘に染まっていく。ワイルダーとI.A.I.A.ダイアモンドによる軽妙で洗練された脚本と、厳選されたキャスト陣の息の合った演技で、『お熱いのがお好き』は今見ても、まるで製作当時と変わらず、とびきり面白く、新鮮に映る。