詳細：デジパック2CD、16ページブックレット付き。Xasthurの新曲に「Inevitably Dark」以上にふさわしいタイトルはそうそうないだろう。ブラックメタルを含む様々なジャンルで表現されているにもかかわらず、ダークさこそが全ての曲を一つにまとめている要素なのだ。今回は。ただし、このアルバムは、巨匠スコット・コナーがブラックメタルへの回帰を意図したものでは決してない。今回はそうしているが、次回もまたそうする保証もない。もっとも、もしかしたらそうなるかもしれないが。コナーはブラックメタル、ダーク・アンビエント、アシッド・フォーク、ドゥームグラスといったジャンルを用いて、自分が見聞きしたもの、感じたものを表現してきた。また、例えば定住先がなく、ホテルや車で暮らしていた時期など、ある特定の時期に、独自のサウンドやスタイルを見つける手段でもあった。アメリカンドリームの裏側に対する彼の洞察は、「Inevitably Dark」の歌詞に反映されており、アルバムには歌がないにもかかわらず、歌詞はそこに存在している。コナーは「Inevitably Dark」の全曲をライブで、しかも自ら録音した。現代の耳には粗野に聞こえるかもしれないが、それはありのままの現実の荒々しさと汚れをそのまま表しているに過ぎない。Xasthurは、1995年、ボーカリスト兼マルチインストゥルメンタリストのスコット・コナーによってアメリカ・カリフォルニアで結成された。このプロジェクトは、北欧セカンドウェーブの流れを汲む荒涼としたブラックメタルの流れを汲む形でスタートした。9枚のアルバム、数々のスプリットシングル、EP、そして時折発表されるデモを通して、Xasthurの個性的で特に憂鬱なスタイルはエクストリーム・メタルのジャンルにおいて高い評価を得るようになった。2010年、スコットはXasthurの解散を発表し、NOCTURNAL POISONING名義でアコースティック・ダークフォーク・プロジェクトとして復活した。2015年、このアメリカ人アーティストはXasthur名義に戻ったが、ブラックメタルの時代は終わったと主張した。 「Inevitably Dark」で、Xasthurはブラックメタルへの自主規制を部分的に解除した。それは単にコナーがそうしたいと思ったからであり、それが実現したのだ。このダブルアルバムは特定のジャンルに特化するのではなく、音楽的な闇と自己反省を表現する作品として作られている。